Q&A

Q : 私は現在妊娠しています。分娩の際に羊膜提供に協力したいのですが、どこに申し込むのですか?
A : 尊いお申し出を、どうもありがとうございます。
残念ですが、今のところ、ご提供は限られた施設(事前に京都府立医大と契約している施設)で、帝王切開による分娩を予定されている場合で、併せて、妊娠経過に医学的異常がない場合に限られています。
ご提供に際しては種々の医学的条件があり、申し訳ありませんが、どなたにでもご協力いただけるということではないのが現状です。これらは、移植を受けられる患者様方の安全を守るためですので、何卒ご了承ください。
もし、産科の先生から「羊膜を提供するご希望がありますか?」というお話をいただいた場合には、お考え頂ければ幸いです。(もちろんお話を断ることも自由ですし、お断りされても何ら不利益は生じませんので、ご安心ください。)羊膜提供のために、産科の受診施設を変更することは、現実的ではありません。
Q : 同意書にサインしたのですが、羊膜提供の意思を撤回することはできますか?
A : もちろんできます。提供承諾書にサインされた後でも、分娩の前であれば撤回が可能です。
遠慮なくお申し出ください。
Q : どのような方に移植されるのですか?
A : 眼科領域では、通常の治療では完治の難しい重篤な眼の病気で苦しむ患者様の治療(移植)と、病気の治療法の確立のために使われます。例えば、重篤な内服薬の副作用で目が傷んでしまった場合(スティーブンス・ジョンソン症候群)、再発を繰り返す翼状片(角膜の上に別の組織が入り込む病気)という病気や、角膜に潰瘍ができる病気(角膜潰瘍)、角膜に穴が開く病気(角膜穿孔)、強いダメージを与える薬物等が目に入ってしまった場合(化学外傷)、目の火傷(熱外傷)、目や瞼の癌などです。こうした病気の方は、失明やその危機に陥られており、目の機能を回復、維持するために移植が必要です。また、直接移植するのではなく、移植に用いるための組織を培養し、有効な治療方法を確立するための医学的材料として役立てられることもあります。
羊膜は大変有用な組織で、眼科以外でも、以前から色々な手術に役立てられてきました。今後研究が進めば、幅広く医療現場で活用される可能性があります。
Q : なぜ、帝王切開でなければならないのですか? 普通分娩では提供できませんか?
A : 羊膜のご提供は移植に用いられることを前提としていますので、移植を受けられる患者様を種々の感染症から守らなくてはなりません。また、移植を受けられる方は免疫抑制剤を投与されることが多く、感染症に対して抵抗力が弱い状態になります。病原菌やウィルスのいない無菌的な状態で羊膜をご提供いただくために、予定帝王切開を受ける妊婦の方にご協力いただいています。
Q : 提供した後(手術分娩の後)も感染症の検査を受ける必要があると聞きましたが、どんなことをするのですか?
A : 分娩から2か月後程度に、お母様に採血を受けて頂きます。感染症の種類によっては、すぐには血液検査の結果に反映されないものがありますので、分娩の際に感染症にかかっていなかったことを確認するための検査です。羊膜をご提供いただいた方は、この検査は無料で、検査を受けるための交通費をお支払いいたします。
分娩の際にご提供いただいた羊膜は、この検査結果を待ってから移植に用いられます。どうぞご協力をお願いします。
Q : これから成長していく子供のプライバシーが、将来侵害されるのではないか心配です。
A : 提供された羊膜には、個有の識別番号が付けられ、番号や記号のみで厳重に管理されます。
組織バンクは個人情報保護法を厳守することが義務付けられており、分娩されたお母様やお子様を特定するような情報が外部に漏れることはありません。個人情報は守られますので、ご安心ください。

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